テニオタチャンネル

テニスオタクの社会人が、数々の大会をチェックし、スコアをファイリングし、時には会場へ足を運んで得たテニスの知識を元に誰よりも詳しく男子プロテニスを皆さんに紹介します。

大会レビュー#6 マドリードマスターズ 〈ベスト8は超豪華な顔ぶれ 激戦を制したのは復活ジョコビッチ!〉

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こんにちは。テニオタチャンネルです。

つい今朝幕を閉じたマドリードMS、実に見どころ満載で面白い大会になりました。すでに早くもローママスターズ本戦1回戦が始まっていますが、マドリード1週間の戦いの軌跡をみていきたいと思います。

1〜3回戦

 まず注目するのはUSAの新星オペルカです。今年になって突如現れ、いきなりニューヨーク250を取ったと思うと、マイアミでは予選を勝ち抜きシュトルフ、シュワルツマンを倒して3回戦進出、トップ15プレイヤーメドべデフをあと一歩のところまで追い詰めました。今大会も予選を勝ちぬき(相手はミーシャと今季タイトル持ちのロンデロ)、本戦でクレーに強いカレーニョブスタに勝ちました。2回戦では土の子ティーム相手に1セットを奪う健闘を見せましたが、棄権となりました。

 次はポーランドの若武者、錦織の天敵ホルカッシュ。予選でグラノジェルス、カルバレスバエナと共にスペインのクレーコーター相手にストレート勝ちで本戦入り。1回戦で上がり株のデミノー、2回戦で今年全豪ベスト4(ちなみに、それ以外はツアーで1回も勝てておらず、チャレンジャーでの優勝があっただけで、今大会2回戦に進んだのが全豪以外で初めてのツアー勝利)のプイユにストレート勝ちを収めました。3回戦では復調を期すズベレフにフルセットの末敗れています。

 カチャノフは、上で触れたプイユと似て去年のパリマスターズ制覇がウソのように不振で、1回戦で地元ムナールに勝ったのが3月のインディアンウェルズMS以来2ヶ月ぶりの勝利でした。尚、2回戦でベルダスコに惜敗。

3回戦~QF

 少しずつですが、けがから戻りつつある(スタン)ワウリンカ。今年はロッテルダム準優勝、アカプルコベスト8と、全盛期には至りませんが徐々に戻しつつあります。今回は1回戦で鉄人エルベール、2回戦で今季絶好調でクレーコーター、僕も1年ほど前から注目しているペラ、3回戦で錦織とかなりの強敵をいずれもストレートで下してベスト8進出。

 モンテカルロでマスターズ初優勝を果たしたフォニーニと土の子ティームはどちらが勝つのか全く分かりませんでしたが、ティームに軍配が上がっています。

 2016年以来2年ぶりにクレーコートに帰ってきたフェデラー。初戦の2回戦でガスケ、3回戦では最近元気なモンフィスに勝ってベスト8へ。クレーでも戦えることをアピールしました(ちなみに、なぜ今年クレーをプレーすることにしたのかについて、「みんながキャッキャ楽しそうにラリーしているのを見て我慢できなくなったんじゃないか」というファンの声があり、僕はネタで言ったんだろうけどあながち間違ってないと思います)。QFではティームと対戦し、1stセットを先取し2ndセットではタイブレークで2回のマッチポイントを握るもそこから挽回され逆転負けするという去年のインディアンウェルズデルポトロ戦と全く同じ展開で負けています。※ちなみに、直前まで迷っていましたが、結局ローマへの出場を公表。ティームには相当恨みがたまっている模様。 

 あと、僕の大好きなチリッチは胃腸炎でジョコ戦を前に棄権しました

SF、決勝

 ジョコ、ナダ、ティーム、チチと、いかにもマスターズらしい顔ぶれとなった準決勝。特にジョコとティームの対戦はどんな戦いになるのかかなり注目が集まっていました。ティームは、この時点ではフェデラーに勝っただけでしたがメンタル、戦術面の進化からファンはBIG4三枚抜きやっちゃうんじゃないかとざわついていました。試合は大方の予想通り激しい打ち合いとなり、両セットともにタイブレークにもつれますが、いずれもわずかなスキを見逃さなかったジョコが勝利。

 一方、ナダルが勝つと思われていたボトムの準決勝のほうに波乱が。新鋭チチパスがなんとナダルを倒してしまったのです。いやーまさか土でチチパスに負けるとは思ってませんでしたね。これでナダルはモンテ、バルセロナ、マドリードが終わってクレー無冠のままです。ちょっと全仏が心配になってきましたね。

 ただチチパスは本当にすごい。引き出しが多くてメンタルが強いです。なんか全体的に動きがダサいとこあるけど本当に強い選手になりましたね。ファンの間では、次世代ナンバーワンはサーシャじゃなくてチチなんでは?!という声も上がるほどです。2人ともまだ若くこれからどうなるかわかりませんが、楽しみですね。

 そして、絶対王者と新鋭の戦いとなった決勝。生で見てみなさんに詳しく試合の様子を伝えようと思ったんですが、5ゲーム目くらいの時に寝落ちしました(泣)見てるうちにだんだん意識がもうろうとしてきて、気づくと画面に流れていたのは中継ではなくハイライトでした

 結果だけ言うと、ジョコの優勝です。w なんだかんだでジョコがまともに活躍するの全豪以来ですね。さすがにジョコも年なのか、2015年とかみたいにずっと鬼畜モード維持するのは難しいのかも。その代わり、照準合わせた大会での強さはますます異常になってるような、、、

 でも、チチパスもよく頑張りました!

総評

 ベテランと若手が割とバランスよく活躍し、ベスト8からはグランドスラム並みの(なんなら今年の全豪よりぜんぜんグランドスラムっぽい)豪華なメンツになりました。ジョコ、フェデ、ナダ、スタン、チリ、サーシャ、ティーム、チチ。うーん、恐怖すら感じる並びですね。ほとんど今の世界最高の選手を上から順番に引っ張ってきたようなもんですね。こないだのモンテでのフォニーニ、ラヨビッチみたいに新しい風がふくのもよいですが、今回みたいに言わずと知れた強豪が上位に並ぶのもまた一興ですね。最後ジョコが勝って終わったというのも非常にきれいです。

 

すでにスタートしているローマMS、どんな戦いになるか楽しみです。

お読みいただきありがとうございました!