テニオタチャンネル

テニスオタクの社会人が、数々の大会をチェックし、スコアをファイリングし、時には会場へ足を運んで得たテニスの知識を元に誰よりも詳しく男子プロテニスを皆さんに紹介します。

デイリーテニス#14 全豪特集 最終日 決勝 ジョコビッチvsナダル


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こんにちは。テニオタチャンネルです。

昨日、全豪男子シングル決勝ジョコビッチvsナダルの試合が行われました。ジョコビッチが優勝すれば15回目のグランドスラム制覇と史上最多7回目の全豪タイトル達成、ナダルが優勝すれば18回目のグランドスラム制覇と未だ誰も成し遂げていない生涯グランドスラム2周達成という、どちらが勝っても前人未到の大記録がかかった試合でした。今回はその試合について掘り下げてお伝えします。

◯誰も予想しなかった結末

  僕も前回の記事で書いたのですが、この2人の戦いは毎回壮絶な試合になることで有名で、総合的な対戦成績もほぼ互角です。さらに、今大会ではお互いがそれぞれのブロックで異常なまでの強さを発揮し、1試合平均2時間ちょっと(←驚異的な短さ)で済ませることで体力を温存して決勝に来ました。このような理由から、誰もがどちらが勝つにしろ、凄まじい長期戦になることを予想していたと思います。ところが、試合は誰も予想だにしなかった方向へと進んでいくのでした。。。

 

  立ち上がりはジョコビッチのサービスから。この時点で、ジョコビッチはかなり攻撃に戦略を振っており、コースはガンガン振るわジャックナイフ打つわで非常に攻撃的でした。サーブも力強かったです。対するナダルはその攻めに対応できておらず、ジョコビッチのサービスゲームではもちろん、自分のサービスでも主導権を握れていませんでした。彼の昔からの武器、ディフェンスは影を潜め、ジョコビッチの攻めを全くさばけていませんでした。ここ最近、モヤコーチから習得した攻めも良くなく、ミスを連発。最初のサービスゲームでいきなりブレークを許します。第7ゲームでは空振りするなど、ナダルらしくないプレーが続きます。対するジョコビッチはよく身体が動いていて、なんと4連続でサービスをラブゲームキープ(相手に1ポイントも与えずにサービスをキープすること)しました。リターンゲームでも常にナダルにプレッシャーをかけ、特にこの日好調だったバックハンドを活かし、ナダルの十八番である右利きのバックへの跳ねるスピンを完全に封じ、むしろチャンスボールかのように叩いていました。その流れは変わることなく、ジョコビッチはそのまま自分のサービスで1ポイントしかナダルに与えず、ウィナーはナダルの倍、エラーはナダルの3分の1でセットを取るという衝撃的な強さを見せました。

  第2セットではナダルが切り替えてくるかと思われましたが、展開は第1セットと変わらず。ナダルからはなんかリズムが掴めてない雰囲気が出ていました。対するジョコビッチは、ファーストサーブを70%入れ、自分の形をしっかりと作っていました。ファーストサーブでのポイントwon率は75%と十分高かったのですが、驚異的だったのはセカンドサーブで86%取っていたこと。つまり、それだけサーブで崩さなくてもラリーだけで十分にコートを支配できてたということです。逆にナダルは、ファーストサーブin率は68%とジョコビッチとほぼ同じだったものの、ファーストサーブポイントwon率40%、セカンドで57%と、やはりジョコビッチが主導権を握っていたことを証明するデータになっています。第6ゲームにしてようやくナダルらしいカウンターがとびだし、デュースに持ち込み、ここから反撃か???と思われましたがジョコビッチは慌てず、ブレークポイントを与えることなくキープ。ナダルのエラー9本に対して、ジョコビッチのエラーたった1本というこれまた驚異的な安定感でナダルのサービスを2回ブレークし、セットカウント2ー0と全豪制覇へ王手をかけます。

  なんとか踏ん張りたいナダルですが、第3セットに入っても流れは変わりません。ミスが多く、準決勝まではバシバシ入っていたカウンターやパッシングが全然入りません。ジョコビッチは相変わらず絶好調で、そんなナダルをさらに追い込みます。第3ゲームでは、この世でジョコビッチしか出来ないであろう目を疑うようなアクロバットプレーが飛び出します。それがこちら。

なんですかこれは。ひどすぎますよね。いじめですよこんなもん(錯乱)このセットの中盤になってようやく、ナダルがジョコビッチのサーブを楽にキープさせない程度には打ち合えるようになりますが、ブレークには至りません。その流れのまま、ついに迎えたマッチポイント。ラリーの末、最後はナダルのバックがアウト。この瞬間、ジョコビッチの優勝が決まりました。ジョコビッチは、ナダルをも寄せ付けず圧倒的な、あまりにも圧倒的な強さでこの大会を制したのでした。

  見ていて思ったのは、ひたすらジョコビッチがすごいということでした。ナダルが全然ジョコビッチに対応出来ていなかったのは、不調、体調が万全でなかった、ジョコビッチがナダルに自分のプレーをさせないようにしていたなど、いろんな説、見方があってどれが実際の理由なのか僕には想像するしかありません。なので、ひとつだけ確実だったのが、ジョコビッチがひたすらにすごいということでした。

 

  以上で、決勝の解説を終わります。

ジョコビッチ、優勝おめでとう。ナダルも準優勝おめでとう。

他の選手もお疲れ様でした。

決勝の動画貼っておきます。

次回はこの全豪オープンの総評の記事を書こうと思います。

お読みいただきありがとうございました!


Novak Djokovic vs Rafael Nadal Final Highlights HD

〔全豪テニス〕明日ついに決勝。ジョコビッチとナダルの対戦成績や勝敗予想をまとめます

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こんにちは。テニオタチャンネルです。今回は明日に控えた全豪男子シングル、ジョコビッチ対ナダルのレジェンド対決に向けて、これまでの対戦成績や今大会の勝ち上がりをまとめ、勝敗を予想していきます。 

  1. これまでの対戦成績
  2. コート別対戦成績
  3. 今大会の様子
  4. まとめ・勝敗予想

ひとつづつ見ていきます。

1:これまでの対戦成績

  さて、テニス界ではフェデラーナダルの組み合わせに続いて最も「ライバル」感のある2人ですが、対戦した回数「52回」は長いテニス界の中で、全ての選手の組み合わせの中で歴代1位となっています。このことが物語っているのは、お互いのキャリアの長さももちろんですが、圧倒的な強さを表しています。というのは、この2人は若い頃からずーっとトップ選手であり、どの大会に出るときも大体トップシードであり、対戦するにはお互いが準決勝あたりまで勝ち上がらないと顔合わせできないということです。さらに、その舞台はATP250や500ではほとんどなく、大多数がグランドスラム、マスターズにツアーファイナルと、世界の強豪中の強豪が集まる大会ばかりです。それを毎回毎回はねのけて顔合わせしていることから、その人智を超えた強さがうかがえます。

  さてその成績ですが、ジョコビッチ27ー25ナダルとわずかにジョコビッチが上回っています。通常、どんなプレースタイルの選手でも、ナダルの右利きのバックハンドをえぐるようなヘビースピンフォア、刺さるような強烈なバックハンド、それらを自由自在に操るコントロール、どんなに振っても追いつくスピードと追いついたらさらにパワーを乗せて返すカウンター、絶対に諦めない強い心、そして近年では磨きのかかったネットプレーと、そのあまりの弱点の無さと、数がある上にどれも世界トップの質の武器の前にどんな戦略も崩れてしまうのですが、ただ1人、ジョコビッチだけはそれらを打ち砕くことができるのです。ヘビースピンに負けない盤石のバックハンド、ナダルに引けを取らない守備範囲とカウンター能力(もしかしたら、ここ2年ほどはネットプレーではナダルの方が上なぶんストローク戦ではジョコビッチの方が上な可能性が高い)を駆使し、ナダルに勝ち越しています。現役選手でナダルに勝ち越している選手はジョコビッチ以外いません。(引退選手で2人)

  時期としては、初の対戦は2006年全仏のQFですが、そこからは年別で見ると5年間ナダルが勝ち越していました。ところが、2011年からパワーバランスが変わり、6ー0でジョコビッチが勝ち越します。2012年は再びナダルが勝ち越し、2013年は3勝ずつのドローとなりますが、翌年から3年連続でジョコビッチの勝ち越しとなりました。

  最近では対戦自体が減ってきていて、おととしは1回だけ、去年も2回の対戦となっており、明日はウィンブルドン準決勝以来約半年ぶりの顔合わせです。

2:コート別対戦成績

  次は、どのコートでどんな勝敗となっているのか見ていきましょう。

 ①芝・・2勝ずつのドロー。芝の大会自体が少ないので対戦も少なく優劣つけにくいのと、お互い速いコートは特別得意ではない。

 ②クレー・・言わずと知れたナダルのお庭。ナダル16勝7敗。ナダルはクレーでの生涯勝率90%越えなので、ここまで対抗できているジョコは異常。

 そして、気になる今回の舞台、③ハードコートですが、室内屋外問わず全ハードコートとしてみると、なんとジョコビッチの18勝7敗と圧倒的です。これは驚きですね。ハードでは、若干ジョコの方が勝ってるかな〜程度のイメージですが、実はクレーでの力関係を逆にしたレベルの勝率差があります。ジョコはどのコートでも王者ですが、やはりハードではずば抜けてます。クレーのナダル、芝のフェデラー、ハードのジョコビッチというイメージはデータからも正しいことがわかります

ちなみに、この全豪では実は一回しか対戦がなく、それがテニスファンなら誰もが知っているあの伝説の試合、全豪2012決勝なのです。

3:今大会の様子

 最後に、勝敗予想する上で重要な今大会での勝ち方を見ていきましょう。

 ①失ったセット数・・ジョコビッチ2 ナダル0

 ②ここまでの総試合時間・・ジョコビッチ12時間1分 ナダル12時間25分

 ③一番苦戦した試合・・ジョコビッチ vsメドべデフ 6ー4 6ー7 6ー2 6ー3 3時間19分

                                         ナダル vsダックワース 6ー4 6ー3 7ー5 2時間17分

いやーーー、、引くほど強いですね。特にナダルは異常です。1セットも落としてません。1番苦戦した試合に関しても、全然苦戦じゃないですよね。普通に圧勝です。wそれでもジョコビッチの方が総試合時間が短いのは、QFで錦織が途中棄権したのが影響しています。

お互い疲れていようがおかまいなしに決勝でハイパフォーマンスしますが、ここまで両者温存しての決勝はなかなか見れるものではないと思います。明日は、壮絶な戦いになると思います。

4:まとめ・勝敗予想

  以上のデータを踏まえて勝敗予想します。50:50(%)が初期状態だとして、全体の対戦成績でジョコビッチ55:45ナダル。そしてハードコートでの対戦成績からジョコビッチ70:30ナダル。そして今大会、どちらも絶好調ですがナダルの方がより圧勝している点を考慮しジョコビッチ65:35。その他いろいろ考えて、僕の予想はジョコビッチ60%、ナダル40%ということで、ジョコビッチ勝利を予想というのがデータからいえることなんですが、僕の直感ではナダルが勝つと思ってます。

  

いかがでしたでしょうか。皆さんは明日の決勝、どう見ますか??

いずれにせよ、どんな戦いになるのか楽しみですね!!

では最後に、2012年全豪決勝を見て心の準備をしましょう。

お読みいただきありがとうございました!


Australian Open 2012 Final Djokovic vs Nadal highlights 1080p

〔速報〕デイリーテニス#13 全豪特集 12日目 準決勝【ジョコビッチvsプイユ】【データ分析してみた】


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こんにちは。テニオタチャンネルです。

今回は、つい先ほど行われたトップハーフ準決勝、ジョコビッチvsプイユ戦について考察・解説していきます。

◯高すぎる壁

  1stセットの出だしからプイユは結構エンジン全開で、隙あらば回り込みフォアを使い、サーブも強烈で205kmとか出してました。しかし、もともと世界で1番うまいとも言われるジョコのリターンの前にはあまり効果がなく、じわじわとプレッシャーをかけられていたと思います。ジョコのストロークは相変わらず好調で、サーブでジョコを「完全に」崩さないとプイユはポイントできない展開でした。セカンドサーブなどもっての他ですし、ファーストサーブが入ってもほんのちょっとでも甘くなるとリターンで形勢を持っていかれ、ジョコのポイントになることが本当に多かったです。そのプレッシャーからプイユはどんどんサーブのスピードをあげ、際どいコースを狙うようになり、当然ファーストサーブの確率は落ち、セカンドをぶっ叩かれるというジョコビッチと対戦する選手の典型的な負けパターンにはまっていきました。対するジョコビッチは、サーブの調子も非常によく、プイユにリターンの的を絞らせていませんでした。サーブでそこまで崩さなくても、ストローク戦で充分に支配できるという自信、プレッシャーの無さがそうさせていたと思います。それを象徴するデータがありますので、ご覧下さい。

ファーストセット

・ファーストサーブin率 ジョコビッチ 81%    プイユ 46%

・ファーストサーブポイントwon率 ジョコビッチ 77% プイユ 55%

・セカンドサーブポイントwon率 ジョコビッチ 100% プイユ 23%

となっており、全てジョコビッチが上回っていました。そのジョコビッチが完璧な試合運びで1ゲームも渡さずベーグルでファーストセットを取ります。

  セカンドセットではプイユがサービススタッツをファースト率54%、ファーストwon率79%、セカンドwon率25%と持ち直しますが、ジョコビッチが大事なポイントを決してプイユに渡さず、6ー2でセカンドセットも取ります。

  サードセットでは、プイユがファースト率63%、ファーストwon率67%、セカンドwon率33%とまた改善しますが、ジョコが78%、86%、100%と遥か上を行きました。見ていても、プイユの戦略がジョコビッチの前にことごとく打ち砕かれていくのがわかりました。そして、圧倒的な支配力を見せたジョコビッチが6ー0 6ー2 6ー2で勝利、決勝進出を決めました。

  終わってみれば、ジョコビッチは試合通じてアンフォースドエラーわずか5、サービスポイント率85%、リターンポイント率驚異の51%、奪ったブレーク7、与えたブレークポイント0という完璧すぎる内容でした。どれもすごいけど、リターンでのポイント51%ってなんやねん。相手サーブ打ってる意味ないやんけ

  プイユもよくやったと思います。圧倒的な力の差を見せつけられながらも、最後まで諦めの雰囲気は見せず戦い抜きました。もしかしたら今期、ツアーファイナル争いに絡んでくるかもしれませんね。

 

  さて、ついにジョコビッチは日曜日の決勝で全豪7度目の優勝(←は?w)をかけてナダルと激突します。それぞれトップハーフとボトムハーフで異次元すぎる強さを見せつけてきた宇宙人同士のぶつかり合いです。まあ、準々決勝あたりでこうなることは見えてました。もちろんもっと早くから、なんなら大会前から予想してた方も少なからずいると思います。決勝に来るのは見ててもこの2人以外考えられませんでした。いやーー、今から楽しみで仕方ないですね。異常なプレイヤーがお互いのレベルを高め合いながら限界を超えて戦う、、最高です。2012年全豪決勝を再現するような、熱い戦いを期待してます。

 


Novak Djokovic v Lucas Pouille match highlights (SF) | Australian Open 2019

以上、トップハーフ準決勝の解説でした。

あっという間ですが一応ハイライト貼ります。

お読みいただきありがとうございました!

デイリーテニス#12 全豪特集 11日目 準決勝 【ナダルvsチチパス】

こんにちは。テニオタチャンネルです。

今回は、昨日行われたナダルvsチチパスのボトムハーフ準決勝についてお伝えします。

◯ナダル、無慈悲すぎる(2回目)

  見てた方はお分かりだと思うんですが、もういじめにしか見えないですよね。まあ、見慣れた光景ではあるんですけど。見てない方のために言いますと、ナダルから6ー2 6ー4 6ー0 でした。これ、ATP250の1回戦とかじゃないですよ?世界最高峰の大会の準決勝ですよ?レアルマドリードとマンチェスターユナイテッドが戦って15ー0とか無いでしょ?サッカーには詳しくないですけどその位の差が見えます。チチパスだってここまですごい強さで勝ってきたのに。バウティスタアグートとか、フェデラーとか倒してるのに。なんなんこの仕打ちは。「俺はこれまで強敵をなぎ倒してきた!フェデラーとの死闘にも勝った!ラファはさらに強いだろうけど、自分のプレーができれば勝てないことはない!!!」みたいな気持ちでコートにinしたであろう若武者チチパスの顔がみるみる死んでいくのは見るに堪えませんでした。こんなショット打たれたら、どうやって立ち直れっていうんだね、、、

逆をついても一瞬で切り返してエース、コート外まで追い出してもポール回しでカウンター、前におびき出してもボレーもネットも完璧、思いっきりサーブ打っても壁まで下がってヘビースピンでリターンし無効化、もう何も通用しないですよね。w 準々決勝でティアフォーがボコボコにされた時の記事(↓)でも書きましたが、

 

www.tennisota.world

ナダルは本当にそこまで必死の思いで勝ってきた選手をへし折るの好きですよね、、某テニス掲示板では土魔神と呼ばれてますが、どうやら土以外でも魔神な模様。そしてナダルがこのような非道を行う時に、何より残酷なのは調子が悪くてやられるならともかくそれまでと同じかむしろ上げてきてるのにやられるっていうところですよね。今回のチチパスも全然悪くなかったですし、全仏2017のワウリンカなんか覚醒モードだったのにアレですからね

さて、延々とナダルのイカれっぷりを語るだけの記事になってしまいましたが、今日はトップハーフの準決勝が行われ、ナダルの相手が決まります。まあ10000%ジョコビッチでしょう。どっちが勝つんでしょうかね? 

 

以上、ナダルの強さを語る記事でした。

見てもあまりの強さに恐怖しか感じないと思いますが、一応ハイライト載せます。

お読みいただきありがとうございました!


Stefanos Tsitsipas v Rafael Nadal match highlights (SF) | Australian Open 2019


Rafael Nadal vs Stefanos Tsitsipas

デイリーテニス#11 全豪特集 10日目 QF


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こんにちは。テニオタチャンネルです。

今回は昨日行われたトップハーフの準々決勝2試合の結果をお伝えします。

1:錦織、体が悲鳴を、、、

  錦織は大の苦手としている王者ジョコビッチと対戦。本人も並々ならぬ気持ちで臨んだと思うんですが、3回戦のソウザ戦を除き全てフルセットで平均4時間を超える戦いは確実に錦織の身体を蝕んでいました。開始直後から明らかに動きが重く、それに非例するようにショットも精彩を欠き、完全にジョコビッチペースとなり第1セットをポッキーで失います。2ndセットではさらに疲れが見え、表情も辛そうで、ファーストサーブが160kmに届かないこともありました。そして限界が来たのか、1-6 1-4となった時点で錦織が棄権を申し入れ、ジョコビッチの準決勝進出が決定しました。

  いやー、錦織は本当によく戦ったと思います。本当にしんどい戦いでしたね、今回の全豪は。全米2014では同じように死闘をくぐり抜けた上でジョコビッチに勝ちましたが、あの時錦織は24歳でした。彼ももう今年で30歳になります。big4やワウリンカ、アンダーソン、イズナーとかのせいで感覚狂ってますけど、普通もう表舞台から姿を消してもおかしくない年齢ですからね。無理しないようにしてほしいです。

2:プイユついにグランドスラムベスト4の領域へ

  ラオニッチはプイユと対戦しました。調子は悪くなかったと思うんですけどねー、いかんせんプイユのリターンが冴えてました。お互い割と互角の戦いしてたと思いますが、要所をしっかり取ったプイユが3ー1で勝利し、自身初のグランドスラム準決勝へ進みます。プイユはなんでもできますね。オールラウンダーって感じします。一部では器用貧乏とも言われてるみたいですが、、

  次戦はジョコビッチ。プイユも見応えあるプレイヤーですが、今のジョコビッチにはまあ無理でしょう。決勝は去年のウィンブルドンSF以来のジョコナダ決戦だと予想します。全豪ジョコナダとか2012年のアレを連想させますねー!たのしみー!

 

以上、昨日のトップハーフ準々決勝の結果をお伝えしました。

ハイライト載せます。

お読みいただきありがとうございました!


Novak Djokovic v Kei Nishikori match highlights (QF) | Australian Open 2019


Milos Raonic v Lucas Pouille match highlights (QF) | Australian Open 2019

デイリーテニス#10 全豪特集 9日目 QF

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こんにちは。テニオタチャンネルです。

最初は128人いた全豪本戦もとうとう8人までしぼられました。準々決勝がはじまります。

今日は昨日のボトムハーフ準々決勝についてお伝えします。

  1. アグート、力尽きる
  2. [悲報]ナダル、無慈悲すぎる

1:アグート、力尽きる

  ここまで破竹の勢いで勝ち上がってきた両者の戦いとなった1試合目。安定したストローク力をもつ二人の激しい打ち合いになります。いきなり最初のゲームでアグートがブレークに成功しますが、第8ゲームでチチパスがブレークバックすると、タイブレーク目前の第12ゲームでもチチパスがブレークし、タイブレークに入る前にこのセットを取ります。セカンドセットでもアグートが先にブレーク、今度は反撃を許さずセットオールとします。3rdセット、またしても先にブレークしたのはアグート。しかし、4-3としてから2連続でサービスを落としチチパスが一気に逆転。4thセットではアグートがマッチポイントをしのぐ根性を見せるもののタイブレークをチチパスが取り自身初のグランドスラムベスト4入りを決めました。

 次の相手は去年のトロントマスターズで誕生日に完膚なきまでタコ殴りされた因縁のナダルです。あの時の仕返しができるでしょうか??

2:[悲報]ナダル、無慈悲すぎる

  はい。タイトルの通りです。ここまでアンダーソンやディミを下し必死の思いで勝ち残ってきた若者ティアフォーがナダルに挑みましたが、わずが1時間49分で完敗しました。

  、、、なんなんでしょうね。アレですか?ナダルは、必死になって上がってきた選手を絶望に叩き落とすのが趣味なんですか。2017年全仏、準決勝でマレーと壮絶な死闘をして勝って決勝に行った僕の大好きなワウリンカに、ボールを食べちゃうほどの精神ダメージを与えた恨みは忘れてないからね、ラファ。

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  他の選手には有効だったショット、戦術が魔人ラファエルナダルと戦った瞬間無効化されるのはあるあるなんですけどね。自分が打った100点満点のスーパーショット、他の選手ならエースになるのにナダルだと逆に8000点くらいのカウンターになって返ってきますからね。試合中盤あたりからナダルに全てをへし折られた選手からみるみる覇気がなくなっていくのはナダル名物でもあります。その真骨頂が、その大会無類の強さを誇り4度目のグランドスラム制覇かと思いきや決勝にしてなにも通用しなくなった上の写真ワウリンカです。

  準決勝、チチパスならやってくれる!という期待もあると思いますが、僕個人の予想としては、「多少、マシな試合ができる」程度だと思っています。数年後ならともかく、いまはね。

 

以上、ボトムハーフ準々決勝の結果をお伝えしました。

それぞれのハイライト載せておきますね。

お読みいただきありがとうございました!


Roberto Bautista Agut v Stefanos Tsitsipas match highlights (QF) | Australian Open 2019


Frances Tiafoe v Rafael Nadal second set highlights (QF) | Australian Open 2019

デイリーテニス#9 全豪特集 8日目 4回戦

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こんにちは。テニオタチャンネルです。

今日は昨日行われた全豪トップハーフ4回戦の結果をお伝えします。

  1. メドべでも止められない
  2. 錦織 死闘
  3. ズべレフさん敗退のおしらせ
  4. プイユ4度目のベスト8

1:メドべでも止められない

  全く相手を寄せ付けないテニスで勝ち上がってきたジョコビッチの次の相手はメドべデフ。フェデナダ以外でジョコビッチを止められるのは彼しかいないと密かに話題になっていましたが、結果は無残に敗れ去りました。

  メドべが悪かったわけではありません。あいかわらずむちゃくちゃにでかいフォームからなぜかやたら安定してる上に破壊力もあるというチートじみたストロークは健在でしたが、チートうんぬん以前にジョコが人間ではないのでそれらを全て拾われて粘り負けするシーンが多く見られました。

まあ今回はジョコにこそ敵わなかったですが、今シーズンメドべはかなりツアーの台風の目になりそうだなと見てて思いましたね。

2:錦織 死闘

  錦織とカレーノブスタの試合は、文字通りの死闘となりました、、

  まず1stセットから1時間18分といういかれた展開になります。内容も、まずブレークが4つという殴り合いになります。タイブレークに入ってもボコしあいは止まらず、なんと11個のミニブレークが発生。ここまでの乱打戦はあまりみかけませんね、、 結果4度目のセットポイントをものにしたカレーが取ります。第2セットでは第3ゲームでブレークを奪ったカレーがそのままリードを守り切って2ー0と王手をかけます。しかしメンタルおばけ錦織圭の本領はここからでした。3rdセットでも先にブレークを奪われ絶体絶命となりますが、直後にすぐさまブレークバックに成功すると、その後はお互いチャンスを与えずタイブレークへ。これを錦織が取り1セット返すと(この時点ですでに3時間経過)、4thセットも取り勝負はファイナルセットへ。先にブレークしたのは錦織で、そのまま5-4サービングフォーザマッチを迎えますが、土壇場でカレーが執念のブレークバック。ついに錦織今大会2度目のマッチタイブレークをとなりました。5時間が経過したマッチタイブレークでも両者プレーの質が落ちるどころか最高レベルのラリーを見せ、カレー8-5の錦織サーブと、カレー有利で進んでいた時に事件が起きました。映像で確認したい方は、この記事の最後に3つ動画があるので真ん中の動画の10:10から見てください。(長くなるので興味ない方、試合見てた人は読み飛ばしてください。)錦織の打ち込みに対しカレーがなんとか追いついて浅いボールを返すと、ネットインとなります。それをカレーノブスタはバック側を読んで走り出しますが、見切った錦織はフォア側のオープンスペースに打ちます。その瞬間遅れて線審がカレーノブスタの先程のネットインボールに対しアウトをコール。カレーはこれに対しチャレンジを要求し、成功。つまりカレーのボールは入っていました。しかし主審は、「確かに入っていたが、線審がコールをした時には既にカレーノブスタは走り出していて、錦織が逆を突いたショットを打ったあとだったので、どちらにしてもカレーノブスタがボールに追いつくことは不可能だった。」と錦織のポイントを宣言。これに対しカレーノブスタは、「いや、自分はアウトのコールがあったからボールを追うのをやめた。線審の誤審があった以上ポイントをやり直すべきだ。」と主張、カレーノブスタのポイントになれば4つマッチポイントという大事なポイントだったこともあり激しく抗議しました。しかし認められず、錦織のポイントとなりました。僕は両方応援してて特にどっちが絶対に勝ってほしい!ってのは無かったので客観的に見てましたが、あれはどっちみち錦織のポイントでしたね、、明らかにエースになった後の線審コールだったので。ただ、チャレンジ成功したのに結局錦織ポイントにした主審も良くないと感じます。リプレイさせる気がなかったならそれを説明するべきでしたね。今のは明らかに錦織ポイントだったからチャレンジしても意味ないよと。それとも、主審はチャレンジを拒否できないっていうルールとかあるんですかね?詳しい人いたらコメントで教えてください

(読み飛ばしてた方、終わりましたよ!)そんなことがありましたが、カレーノブスタは少なくとも僕の目にはしっかりその後すぐ切り替えたように思います。それの前と後でプレーのレベルに差があったようには見えませんでした。しっかり集中していましたが、錦織がその上をいきましたね。その後のポイントはどれも激しいラリー戦になりますが、錦織が全て取り逆転、マッチポイントをサービスエースで締めくくりました。

  終わった後カレーは主審への怒りが収まらずラケットバッグを投げ飛ばし主審に暴言を吐きながら退場していきました。

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マナーとしては良くないですが、主審とは握手拒否したものの錦織とはしっかり健闘を称えあいハグしたこと、ラケットでベンチ破壊しようとしたけど我慢してカバンにしまってから投げたこと、そして試合後会見でちゃんと謝ったことなど、  彼がしっかりした人なのがよくわかったのであんまり気にならないですね。あんなに頑張った試合でペース崩されれば誰でも怒りますわ。彼らは全てをテニスに捧げてるわけですから。

 そして勝った錦織は明日(正確には今日)ジョコビッチと準々決勝を戦います。それほど苦戦せずここまできたジョコと、死闘に次ぐ死闘を戦ってきた錦織。はっきり言ってジョコがすっころんでケガでもしない限り万に一つしか勝ち目はないと思っています。ただ、全米2014の時みたいに、錦織はなぜかボロボロになる程強くなるルフィみたいなとこがあるので、もしかするともしかするかも知れませんね。本当にメンタル強いですし。どこかのディミ◯ロフさん(0ー2からの逆転率0% そのまま0ー3で負ける率94%)とは違う、、、(テクニックは同じくらいなのに)

3:ズべレフさん敗退のお知らせ

  今度こそグランドスラムで結果が欲しかったズべレフさん、今回もパッとしないまま終わりました。しかし、スコア1ー6 1ー6 6ー7だったんですが、相手がラオニッチだったとはいえさすがにズべレフの負け方じゃないですね。体調なのかなんなのかわかりませんが、何かしらの要因で力を発揮できなかったと考えるのが自然かと思います。

  ともあれ僕の好きなラオニッチが勝ってくれてよかったです。見ていて思ったのは、以前よりスライスが多くなったと思いました。ズべレフに押されてしのぐためのスライスだけでなく、通常のラリーでも何回も連続してスライスを使う場面も多く見られ、大先生を見ているようでした。

4:プイユ4度目のベスト8

  チョリッチvsプイユの4回戦で1番地味な試合は、チョリッチ優勢かと思われましたがプイユが逆転で勝っています。以上です。

 

トップハーフ4回戦の結果をお伝えしました。

ジョコメド、錦織カレーの試合を貼っておきます。

お読みいただきありがとうございました!


Pablo Carreno Busta v Kei Nishikori match highlights (4R) | Australian Open 2019


Full fifth set tiebreak: Nishikori wins a classic (4R) | Australian Open 2019


Novak Djokovic v Daniil Medvedev match highlights (4R) | Australian Open 2019